「月曜シェフ塾」
「基本のソース」を学ぼう! (PART2)
平成28年6月13日 月曜日
講師:シェ・イノ料理長古賀純二氏
主催:月曜シェフ塾 ソトワールプロモーション
協力:東京ガス厨Bo!SHIODOME
フォン・ド・ヴォー
Fond de veau
仔牛の骨やスジ、すね肉からとるフォンで、仔牛料理のほか、他の素材のソースのコク出しにも使います。
材料 約5ℓ分
仔牛骨 3kg
仔牛スジ 3kg
仔牛すね肉 5kg
( 香味野菜)
- ニンジン 3本
- 玉ネギ 3個
- セロリ 3本
- ポワロー(青い部分) 1本分
- ニンニク 3株
トマト 3個
トマトペースト 200g
ブーケガルニ(パセリの茎、タイムの茎各適量、ローリエ2~3枚) 1個
【ポイント】仔牛はしっかり焼いて香ばしく。野菜の甘さもじゅうぶんに引き出し、ボリュームのある味に。
フォン・ド・ヴォ―の一番のポイントは、仔牛の骨と肉をカリッと香ばしく焼いて、その美味しさをそのままフォンに引き出すことです。香味野菜は、甘みと旨みがじゅうぶんに出るように焦がさないように炒め、焼き上げた骨や肉と合わせて煮出します。その際、素材の味を出しきる、むしろ、出しすぎていいくらいの気持ちで煮出し、野菜と仔牛の旨みが溶け合った、ボリューム感のある仕上がりにします。
当店にはクラシックなソースを合わせた料理も多く、そうしたソースに使いやすいよう、このフォンを煮詰めたグラス・ド・ヴィヤンドを常備しています。また、アルコールをたっぷりと使うのも当店のソースの特徴です。凝縮させた味わいは、力強い酒の風味とのバランスをとるためにも重要です。フォン・ド・ヴォ―を使用する場合は、あらかじめ煮詰めたフォンや酒に、味わいの幅を作る目的で加えることがほとんどです。
(作り方)
①骨、肉を焼く
仔牛の骨、スジ、すね肉は天板にのせ220~230℃のオーブンで30分ほど加熱する。
途中取り出して混ぜ、焦げを防ぎ、火の入り方を均等にする。
②香味野菜を炒める
ニンジン、玉ネギ、セロリ、ポワローは3cm角に切り、トマトは半割りにする。
ニンニクは半割りにする。トマト以外の野菜をサラダ油で炒める。
③骨、肉、野菜を合わせる
-
②、トマト、トマトペースト、ブーケガルニを寸胴鍋(ここでは60ℓ)に入れる。
①の天板に水を注いで旨み成分をこそげ[デグッラセ]、その水、グロセルを鍋に加える。
④煮出す
水を注いで一番のフォンをとる
鍋にひたひたより少し多めの水を注ぎ、沸いたらアクを取り[エキュメ]、ポコ、ポコと揺
れて表面にさざ波が立つ状態[ミジョテ]を保って8~9時間煮出す。
⑤二度漉す
液体をシノワで漉し、目の細かいシノワで再度漉す。野菜を潰さないようにシノワの縁を叩いて自然に漉す(一番のフォン)。
(2)
二番のフォンをとって一番と合わせる
漉して残った骨や肉、野菜を鍋に戻し入れ、ひたひたの水を注いで火にかけ、2時間ほ
ど煮出す。シノワで漉し、さらに目の細かいシノワで漉して一番のフォンと合わせる。エキュメしながら半量に煮詰め、フォン・ド・ヴォ―の完成。
それをさらに1/2量に煮詰めると、グラス・ド・ヴィヤンドになる。
ソース・ペリグー
Sauce Périgueux
トリュフやフォアグラの産地「ペリグー」の名を冠したソース・ペリグーは、ポルト酒、マデラ酒、グラス・ド・ヴィヤンドを合わせ、トリュフの香りを溶け込ませたふくよかなソース。ブランデーも贅沢に使い、キレのある味わいです。
材料(4人分)
ソース・ペリグー
ブランデー 300mℓ
ポルト酒(ルビー) 50mℓ
マデラ酒 50mℓ
グラス・ド・ヴィヤンド 100g
トリュフ(みじん切り) 大さじ1
バター 150g
ペリグーソースの作り方(実演)
ブランデー、ポルト酒、マデラ酒を鍋に合わせて火にかけ、グラス・ド・ヴィヤンドを加える。トリュフを加えて混ぜ、少し煮詰める。鍋を火から外し、バターを2~3回に分けて加え、モンテする。塩、胡椒で味を調える。
ジュ・ド・オマール
Jus de Homard
(材料)
オマール海老頭ガラ・・・・・・・・・・・4キロ
玉葱・・・・・・・・・・・・・・・・・・2個
セロリ・・・・・・・・・・・・・・・・・2本
人参・・・・・・・・・・・・・・・・・・2本
ポワロー・・・・・・・・・・・・・・・・1本
にんにく・・・・・・・・・・・・・・・・1株
ホールトマト・・・・・・・・・・・・・・500g
フュメドポワソン・・・・・・・・・・・・500g
ブーケガルニ・・・・・・・・・・・・・・1束
エストラゴン酢漬け・・・・・・・・・・・少量
【作り方】
-
新鮮なオマール海老の頭を水洗いし、縦半分に切る。砂袋、ヒダを取り除き、ハサミで細かく切る。
-
野菜を細かく刻む。
-
オリーブ油を敷いたフライパンでガラをしっかり焼く。
-
同時に鍋にバターを入れ野菜を弱火でゆっくり炒める。甘味がしっかり出たらそこに焼いたガラを入れる。残りのフライパンに白ワインを注ぎデグラッセし、鍋に加える。
-
全体を軽く混ぜたらヒタヒタの水を加え強火で沸かす。沸いたら弱火にしてアクだけをすくう。
-
潰しながらトマトホール、フュメ・ト・゙ポワソン、エストラゴン、ブーケガルニを入れ強めの弱火で約20分程煮る。目の細かいシノワで濾す。
■ジュ・ト・゙オマールを使ってそのままスープ等にする他、煮詰めて各種のソースに派生させる。
オマール 海老のア・ラ・ナージュ
Homard à la nage
ジュ・ド・オマール・・・・・・・・・・・・・500㏄
バター・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30g
ブランデー・・・・・・・・・・・・・・・・・小量
オマール・・・・・・・・・・・・・・・・・・2尾
レギューム・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
(各ジュリエンヌ)
ポワロー
キャロット
シャンピニオン
トマトはコンカッセ
エストラゴン、小量
(作り方)
-
オマールは中火で約5分ボイルする。
-
頭と尻尾に分け殻を剥く。
-
頭は半分に切りコライユを外す(モンテ用)。砂袋、ヒダを取り除きハサミでさらに切る、殻をジュ・ド・オマールに入れ軽く炊いて味と香りを移す、他のなべにパッセする。
-
ポマード状にしたバターと裏ごししたコライユを合わせてジュに溶かし入れる。 塩で味を整え、ブランデーを人滴する。
5.スープ皿に一口にカットしたオマールを並べ、バターでスュエした野菜をのせジュを注ぎ入れる。エストラゴンを飾る。